6月9日(日)午後 雨 一番札所 〜 六番札所
一番 霊山寺(りょうせんじ)
さて、慣れない身なりに身を包んで、まずは一番札所の霊山寺(りょうせんじ)へのお参りです。午後1時過ぎになったと思います。いざ・・・と意気込んで出発すると、なんと「門前一番街」の目の前に一番寺 霊山寺の山門がありました。
ちょっと拍子抜けな感じですが、この山門を入ると、、、“雨”という天気もあって、急に厳かな空気感に包まれます。
ガイドブックに従い、手水場(ちょうずば)でお清めをし、鐘楼の鐘を一度だけ撞きます。
しかし、このとっぱじめで大恥の一撃をかましてしまいます。(笑)
慣れていないので力加減がわからず、妙に力いっぱい鐘を撞いてしまい、雨の静けさを掻き消す轟音を発してしまいました。
『やばっ!!』
焦って、周囲を見回しました。
やはりうるさかったようです。近くのお遍路さん含め参拝のお客さんは、驚いた表情とか、あるいはくす笑いをしながらとか、あるいは隣人とこそっと話しをしながら、みなさんこちらを見ています。^^;)
『嗚呼、やってしまった・・・』(~_~;)
初心者丸出しの下品な鐘の撞き方になってしまいとても気まずい事態です。
そもそも慣れない姿格好が少々気恥ずかしい思いがあったのですが、この激しくみっともない、隠れようのない鐘撞きの一撃で、小さな気恥ずかしさなどは吹き飛んで、逆に開き直ることが出来たような気がします。
やれやれ・・・のっけから・・・(^^;)笑
気を取り直して、まず、本堂へ向かい、火をつけたろうそくを立て、線香を3本上げます。これらは全て何となくルーチンというか習わしのようなものです。
そして納め札を収めて、お祈りです。
八十八ヶ所巡礼の札所のお寺には、空海さん(弘法大師)を本尊とする「大師堂」というものが、本堂とは別棟として必ずあります。
本堂の次に、この大師堂に行って、同じこと(ろうそくに火をつけ、線香を3本揚げ、納め札を収めて、お祈り)を再度行います。
手慣れた人は般若心経なんかを本堂、大師堂、の両方で読経される方もいらっしゃいます。
これらの参拝をしてから最後に納経所へ向かいます。これでいよいよ納経帳に御朱印をいただくことができます。やれやれ、一発目に恥ずかしい爆音の鐘撞きをしてしまったものの、何とか一つ目の札所参りが無事終わりました。
↑ 雨の一番札所 境内は広く綺麗に整備されている
二番 極楽寺(ごくらくじ)
次の二番札所は極楽寺(ごくらくじ)です。霊山寺からの距離は1キロちょっとぐらいしか離れておらず、とても近いところにあります。赤い山門が目に鮮やかで、とても綺麗でした。一歩境内へ入ると、お庭が見事に手入れされていて緑が雨に冴えてとても素敵でした。
↑ 二番札所「極楽寺」 雨は綺麗な境内をいっそう凛と引き立たせる
三番 金泉寺(きんせんじ)
三番札所はこの二番札所の極楽寺から約3キロ離れた金泉寺(きんせんじ)です。同じように赤い派手な山門がありまして、そこに一礼して境内へ入ります。真言宗らしい派手で真っ赤な欄干の橋を渡って本堂へ向かいますと、奥にこれまた真っ赤な二重の塔(多宝塔というらしいです)が見えます。
赤色を基調としたとても派手で煌びやかな寺だなと思っていると、逆に本堂はとても厳かで風格がありました。大師堂も同じでした。入門すぐの煌びやかな色彩から一転、厳かな威風を湛えた境内でした。
↑ いろいろ派手だが、歴史を感じる本堂の木造建築はメチャ渋い
四番 大日寺(だいにちじ)
さて次の四番札所は大日寺(だいにちじ)です。場所は幹線道路から少し奥で、市中からも離れていてとても静かです。
急に人も減り、雨音しか聞こえないくらいの静寂さでしたので、ここでは鐘楼で鐘を作る気にはなれませんでした。山門は同じく朱色に彩られているんですけれども、これまでとは違って少し抑えたくすんだ赤色でした。これはこれでとても綺麗な山門です。
こちらもお庭の手入れもとても行き届いていて、雨がすごく似合っていました。本堂も大師堂もこれまでで一番地味です。納経所も全て地味な造りで、なかなか渋いお寺になってきたぞ・・・という感じがします。
↑ 雨の大日寺 雰囲気抜群
五番 地蔵寺(じぞうじ)
五番目の地蔵寺(じぞうじ)へ着いたのは午後3時半を回っていました。
四番大日寺よりもさらに色合いをなくし、地味さと“わびさび”を美学としているようでした。何といっても特徴は中央にそびえ立つイチョウの大木です。この辺から札所のお寺が、少し山寺チックなものになってくるのかなと思わせます。
せっかくお参りしているので、奥の院まで歩いて、300円を払って、五百羅漢さんを拝観しました。
ここは撮影禁止です。
眺めていると気分が厳かになり、このお寺が、大イチョウの大木を中心に、これでもか・・・というほど質素に作られている意味が、何となく理解できた気がします。
これまでの真言宗的な派手めのお寺とは一線を画する違いがここにはありました。
(このお寺も真言宗ではありますが・・・)
↑ 境内中央に聳える大銀杏が特徴の地蔵寺
六番 安楽寺(あんらくじ)
六番札所「安楽寺」(あんらくじ)に着いた時刻はもう午後4時半でした。
急げばもっと多くの札所を渡れるのかもしれませんが、お寺の境内や庭を散歩したり、ゆっくり眺める余裕も欲しかったこともあり、一つの札所の参拝にはそれ相応の時間がかかることがよくわかりました。
結局、6月9日巡礼発心初日はこの六番「安楽寺」が最後となります。
各札所の寺事務所あるいは納経所は、どこでも朝8時に開け、夕方5時に閉めます。
つまりこの時間内でないと納経・御朱印はいただけません。これはどこでも共通だそうです。
さて、安楽寺はこれまでのお寺と少々趣を異にしていて、竜宮城のような少し中華風の不思議なデザインの山門でした。
一礼して境内へ進むと、正面に立派な本堂が見えます。左奥には三番「金泉寺」で見たのと似た二重の塔(多宝塔)があります。
このお寺は広大な敷地の境内のなかに温泉の源泉があるとのことで、昔から湯治に訪れる人々も多くいて、ちょっとしたホテルのような立派な宿坊も併設されていました。すでに宿坊専用の駐車場にはバスが停まっていて、バスツアーで巡礼されている方々がお泊まりになっているようでした。
『今日、オレはどこへ泊まるんだろか?』
とか考えつつ、納経・御朱印をいただき、クルマへ戻ったのは、ちょうど夕方5時になっていました。
↑ 安楽寺境内 山門、本堂、多宝塔、などお堂によって建築様式が微妙に違う
食事処&ビジネスホテル 八幡
昨日がサービスエリアでの車中泊だったので、今晩はゆっくり宿に泊まりたいなと思っていました。雨ですし・・・。
まずは、ここ安楽寺の宿坊に泊まれないか?宿坊受付でお伺いをしてみましたが、そもそも事前の予約が必要な宿坊のようでした。
少し粘って交渉してみましたが、「部屋が空いていれば素泊まりなら差し上げたいが、あいにく部屋も予約でいっぱいである。」とのことでした。
近くの民宿などは日曜日の夜ということもあり、営業していないところもあり、宿坊以外でも2,3軒、フラれてしまいました。看板を見つけて最後に電話したのが、「八幡」というビジネスホテル(素泊まり6,000円)で、今からでも大丈夫とうことで、今晩はここに泊まることにしました。ここの良かったところは、別館の旅館や、食事処、などを併設していたので、夕食難民にはならずに済んだところです。
↑ ビジネスホテル「八幡」と隣接する食事どころ
なんだかんだでこの宿に落ち着き、すぐ隣の食事どころで夕飯が摂れたのは8時近かったでしょうか。
広くはないですが、個室のお風呂に一人でゆっくり浸かれるのは、やはりいいです。
こうして巡礼発心初日はなんとか無事に終了しました。
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