25話 クルマ遍路旅 -高知 室戸岬(二十四番)〜安芸市(二十七番)-

車中泊旅記録

クルマお遍路旅一回目 実行五日目 6月12日(水)午前中のお話しします。

天気:晴れ  出発時 ODOメータ:7,290km

25話 記事全道程(Google My Maps)

25話 記事全道程 - Google マイマップ
宿泊した東洋町(A)から24番(B)〜27番札所(E)、ランチしたうどんのいおき屋(F)まで

この記事で分かること

四国八十八ヶ所お遍路旅の実施第5日目の様子をお話しします。高知県の札所(二十四番最御崎寺〜二十七番神峯寺)の札所及び周辺の情報を中心に、実際の景色や体験の詳細を紹介します。とくに、土佐湾沿いの国道55号線ドライブの魅力と、神峯寺の到達感が印象的に描かれます。

生見サーフィンビーチの朝

ここは高知県東洋町生見、通称「生見サーフィンビーチ」です。6月12日(水)、クルマ遍路旅に出て5日目の朝です。

目の前に広々とした生見ビーチが広がり、既に何人かのサーファーが、朝の引き潮の中で波乗りを楽しんでいました。昨晩とは全く異なる趣を見せてくれる「民宿サウス・ショアー」の朝でした。 (Map 地点A)

気持ちが良かったので、しばらくボーッと海を、そしてサーファーたちを眺めてしまい、荷物をまとめて車に行ったときは7時半を過ぎました

↑ 民宿「サウスショアー」の2階テラスからは”生見ビーチ”が一望。本日ODO 7,290km。  (Map 地点A)

第二十四番札所 最御崎寺(ほつみさきじ)

「民宿サウス・ショアー」をあとにした国道55号線は、左手に海を見ながらひたすら海岸線を走ります。

まもなく、東陽町から室戸市に入ります。あと30kmで室戸岬です。交通量はほぼありません。快適にクルマを飛ばします。

24番最御崎寺 基本情報

ほつみさきじ

宗派:真言宗豊山派

山号:室戸山(むろとざん)

院号:明星院(みょうじょういん)  

Map 地点B

🔗四国霊場会公式HPリンク

アクセス

・カーナビ設定( 簡単 )
「24番最御崎寺」or 電話番号による検索 OK

・前札所からの道( 楽 )
  23番薬王寺から80km。東洋町からは35km。 国道55号線一本道。距離はあるが、ナビ/標識に従っていけば迷うことはない。  🅿️は国道55号線で室戸岬を過ぎ300m先を右折、県道203号線を数百メートル上った右側に2ヶ所無料🅿️があり、さらに上った「お遍路センター」に有料🅿️がある。

🅿️からの境内アプローチ( “楽”だが徒歩距離は意外とある )
  🅿️から山門はなだらかな上り坂を徒歩4分。 山門から大師堂・本堂・納経所はほぼフラット。

お寺の種類

区分市街区田園区海浜区森林区岩崖区
平地寺     
傾斜地寺    
山岳寺 

宿泊事情

 ・宿坊あり。(「お遍路センター」が窓口)  ・「岬観光ホテル」ほか旅館/民宿など付近に数軒ある。(宿坊以外の宿泊も「お遍路センター」で相談できる)   ・車中泊場所は、「室戸岬無料駐車場」、「室戸岬園地休憩所」ほか「歩きへんろ道 最御崎寺登り口」近くの無料駐車場などあり(トイレ24hなど要確認)。

24番最御崎寺 雑記

8:30 二十四番 最御崎寺(ほつみさきじ)駐車場到着、(Map 地点B)

↑ お寺の境内は室戸岬のあたりいったい全部・・・とても広い

参道はそのまま室戸岬灯台への道でもありました。そこにはすごい数の石灯籠が並んでいます。

最近寄進された(?)と思われる献灯の中には変わったものが多く、中には米国のマーチン・ルーサー・キング牧師を称えたものまでありました。

何を称えるかは寄進者の自由のようですが、何が来ても否定せず、排他的でない、真言密教の姿勢には少し驚かされます。

山門を兼ねた仁王門をくぐる前に、室戸岬灯台の方に向かいました。灯台そのものに立ち入ることはできませんでしたが、すぐ手前に展望台があり、雄大な景色を望むことができます。

↑ 参道も眼前の太平洋も南国の香りでいっぱい。

そして少し道を戻って、大きな仁王門をくぐり、境内に入ります。

緑の木々はもちろん多いのですが、徳島の札所とは雰囲気が少し違います。

明るいのです。鬱蒼とした木立とか杉の巨木とかに四方を囲まれた感じがないのです。四国山脈の南側に来ているので、植生も違うのかもしれません。とても南国な感じです。お寺の境内のレイアウトも面白くて、鐘楼堂の次は大師堂があり、多宝塔が立ち、手水場、納経所と来て、そして一番奥が本堂となっています。思ったよりゆっくり散歩を楽しんでしまいました。納経/御朱印をいただき、駐車場に降りると9時半になっていました。

↑ 鬱蒼感がなく抜けの良い空に、色彩のない渋いお寺が立っている。

第二十五番札所 津照寺(しんしょうじ)

25番神照寺 基本情報

しんしょうじ

宗派:真言宗豊山派

山号:宝珠山(ほうしゅざん)

院号:真言院(しんごんいん)  

Map 地点C

🔗四国霊場会公式HPリンク

アクセス

・カーナビ設定( 簡単 )
 「25番神照寺」or 電話番号 検索でOK

・前札所からの道( 楽 )
 24番最御崎寺から6.5km。 最後のアプローチで国道55号線から外れ室津港に向かうが、ナビ/標識に従っていけば迷うことはない。  🅿️は山門を右手に通り越した200m先の「室津港の駐車場」となるため少しわかりにくい。

・🅿️からの境内アプローチ( 割と遠い )
  🅿️から山門は室津湾に沿って5分程度の徒歩。 山門から本堂へは長い石段を登る(4分)。大師堂・納経所は石段の手前にある。

お寺の種類

区分市街区田園区海浜区森林区岩崖区
平地寺     
傾斜地寺 ○  
山岳寺 

宿泊事情

 ・宿坊なし。  ・付近にホテル/旅館/民宿など4〜5軒ある。   ・車中泊場所なし。

25番神照寺 紀行

二十五番札所 津照寺(しんしょうじ)は、別名「津寺(つでら)」と呼ばれる通り、入り江でできた室津港を見下ろす小高い丘が境内です。

港町の街中に山門があり、それをくぐると、長い石段があります。ただ下から頂上がすぐ上に見えていますので、昨日までの徳島の「へんろころがし」系札所の石段で味わった“終わりの見えないうんざりした恐怖”は感じません。

石段を登った上に、何回か見覚えのある竜宮城のようなデザインの大きな門が見えます。鐘楼門と言うようです。

↑ 情緒溢れる室津港と、それを見下ろす小高い丘に建つ津照寺

『さあ、石段を登るぞ!』と気合を入れると、山門入ってすぐの右側に大師堂と納経所がすでにあり、ちょっと拍子抜けします。それに見回しても手水場がありません。

やはり室戸に入ってからのお寺の境内は、レイアウトが少し変わっているようです。

石段を登り、鐘楼門をくぐると、右にまた少し石段があります。それを登ると、やっと手水場がそこにありました。

そして、小ぶりな本堂が、港を見下ろすほぼ頂上に佇んでいます。多宝塔などはありません。

少々長い石段はあるものの、大変コンパクトな境内で親しみやすいお寺でした。

午前10時、津照寺を出発。

↑ 石段を登りきると、港と港町が一望。

第二十六番札所 金剛頂寺(こんごうちょうじ)

26番金剛頂寺 基本情報

こんごうちょうじ

宗派:真言宗豊山派

山号:龍頭山(りゅうずざん)

院号:光明院(こうみょういん)  

Map 地点D

🔗四国霊場会公式HPリンク

アクセス

・カーナビ設定( 簡単 )
「26番金剛頂寺」or 電話番号 検索でOK

・前札所からの道( 楽 )
  25番神照寺から5km。 最後のアプローチで国道55号線から外れ山道を登るが、ナビ/標識に従っていけば迷うことはない。  🅿️は山門手前右手広がりわかりやすい。有料(普通車200円)(2024年現在)

🅿️からの境内アプローチ( 少しハード )
  🅿️から山門は中程度の石段(徒歩3分)。 山門から本堂へも少し石段を登る(2分)。大師堂・納経所は本堂と同じフロアにある。

お寺の種類

区分市街区田園区海浜区森林区岩崖区
平地寺     
傾斜地寺   ○
山岳寺 

宿泊事情

 ・宿坊あり(要予約確認)。

 ・付近にはホテルは無い(麓の海岸沿い民宿一軒程度)。

 ・車中泊場所は、55号線沿いに「道の駅キラメッセ室戸」あり。

26番金剛頂寺 紀行

二十六番 金剛頂寺(こんごうちょうじ)までは5キロ程度です。

基幹道国道55号線を高知市に向かって走り、元川の河口を右折して、舗装された葛折りを少し登ると駐車場があります。

時刻は10時15分。まずは少し長めの石段が出迎えてくれました。見ると、厄坂と書いてあります。それを登り切ると、そこが山門、そしてまっすぐ正面に立派な大きな本堂が現れます。とても荘厳です。

↑ 久しぶりの山寺。山門も鐘楼も本堂も渋い!

納経所もすぐわかりましたが、大師堂は少し本堂から左手前に回り込んだところにあります。大きな本堂と比べると、とても質素な作りをしていました。ふとその横を見ると、「がん封じの椿」という霊木を祀った祠がありました。

このお寺は、室戸市の最後の札所になります。先ほど今日一番に参拝した室戸市最初の札所が最御崎寺(ほつみさきじ)で、別名、東寺(ひがしでら)と呼ばれているのに対し、この二十六番 金剛頂寺(こんごうちょうじ)は、西寺(にしでら)と呼ばれているそうです。

10時50分、金剛頂寺(こんごうちょうじ)出発。次の二十七番 神峯寺(こうのみねじ)から以降は、室戸市を離れ、安芸郡に入ります。

第二十七番札所 神峯寺(こうのみねじ)

金剛頂寺から二十七番 神峯寺(こうのみねじ)までの距離は34kmです。ひたすら土佐湾を左に見ながら、海岸線の国道55号線を北上します。実はこの区間の55号線が、一回目のお遍路四国遠征でわたしが一番走りたかった道でもありました。

今私は久しぶりに、気持ちの良い海岸沿いのドライブを7年ぶりに自走で楽しんでいます。初日の七番札所 十楽寺の「治眼疾目救歳地蔵尊」を思い出し、自分の目でこうして運転できていることを、そして自分の目でこうして景色を楽しめていることを改めて感謝しました。

↑ 金剛頂寺を過ぎてしばらくは海岸線の国道55号をひたすら走る。

27番神峯寺 基本情報

こうのみねじ

宗派:真言宗豊山派

山号:竹林山(ちくりんざん)

院号:地蔵院(じぞういん)  

Map 地点E

🔗四国霊場会公式HPリンク

アクセス

・カーナビ設定( 簡単 )
「27番神峯寺」or 電話番号 検索でOK

・前札所からの道( 迷わないが険しい )
  26番金剛頂寺から34km。 ほぼ55号線の一本道だが、最後のアプローチは相当に険しい葛折り道を登る。ナビ/標識に従っていけば迷うことはない。  🅿️は山門手前左側にあり、わかりやすい。有料(普通車300円)(2024年現在)

・🅿️からの境内アプローチ( 少しハード )
  🅿️から山門は坂道を徒歩1〜2分。 山門から納経所はフラット、そこから本堂・大師堂へは長い石段を登る(5分〜6分)。

お寺の種類

区分市街区田園区海浜区森林区岩崖区
平地寺     
傾斜地寺   
山岳寺 ○

宿泊事情

 ・宿坊なし。

 ・付近にはホテルは無い(麓の海岸沿い民宿一軒程度)。

 ・車中泊場所は、55号線沿い、4km戻ったところに「道の駅 田野駅屋」、3km先へ行ったところに「道の駅 大山」がある。(トイレ24h等は要確認)

27番神峯寺 紀行

国道55号線を走ること40分「右折→神峯寺」の大きな標識があります。

十分立派な道路“標識”で、昨日の太龍寺に向けての林道を案内する古ぼけたただの“看板”とは大違いです。(失礼!)

しかし・・・、標識に従って右折した瞬間から、道路の幅員は極端に狭まってしまいます。^^;)

田んぼのあぜ道のような道を進むと、間もなく「土佐くろしお鉄道の踏切を渡ります。

車もなければ、人もおらず、電車にいたっては、影も形もありません。ここは高知県安芸郡安田町 唐浜駅の近くの少しひらけたところです。

今年2024年、大まかな計画として『三回ぐらいに分けて四国遠征して、八十八箇所めぐりすべてを今年中に完遂しよう』と考えていました。

その時、『一回目の遠征時になんとしても室戸岬と高知市街のちょうど真ん中にポツンと描かれた、この二十七番目の・・孤立したこの半端な場所のお寺までは絶対に行っておかなくては!!

という決意をなんとなく持ったことを思い出しました。

そして今、、、この数キロ先には、そのとき思った「絶対に制覇しなくてはならない二十七番札所」(笑)が、消えることもなくあるのですから楽しいです。

この旅での一番の収穫は、

「その時その瞬間の出会いや出来事を、良い悪いに関わらず、面白がって慈しみ、幸運だ!と感じることが、なにより大切だ。」教えてもらったことかもしれません。

再びクルマを出すと、これまた想定していなかった突然の急峻な葛折りが始まります。しかもいきなりすごい斜度です。

それもそのはずで、後でガイドをよく読むと、二十七番神峯寺は、土佐湾に面した唐浜からほど近い単独峰の神峯山山頂に築かれていて、標高も600mあるとのことでした。土佐一番目の「遍路ころがし」のようでした。

ただだとしても・・、昨日の徳島県神山山系の二十番鶴林寺二十一番太龍寺と違って、深い山奥ではないうえ南傾斜で明るいのです。さらには、舗装が行き届いているため、普通の車でも十分に走りやすい安心感がありました。

11時45分、二十七番札所 神峯寺 駐車場到着。(Map 地点E)

↑ 抜けるような青空、眼下に広がる太平洋。この風景はご褒美だ。

なんかとても眺めの良い駐車場です。まるで土佐湾を望む展望テラスです

クルマを停め、これまでの車道と同様に舗装された山道を徒歩で少し登ると、大きな山門が構えます。くぐると、とても綺麗に手入れされた庭園のような境内が目に飛び込みます。

手水場でお清めし、鐘を一回つきました。そして珍しいことに、真っ赤に塗装された手すりの石段を登ります。これがまた結構長いです。石段は中腹で90度右に曲がってさらに続いていきます。その両側には、整備された日本庭園が傾斜に沿ってきれいに続いていました。

↑ 山寺とは思えない美しい庭園。

本堂でお参りし、大師堂に向かう途中、まだ寄進されてから日が浅いのでしょうか?色鮮やかな不動明王の立像がやけに目立って立っていました。リアルで、妙にかっこいいです。

前を横切っていくとき、ずっと目が合っていて、ずっと睨まれてるようで怖いです。(笑)

↑ 高知最初のへんろころがし 二十七番 神峯寺  どこから見ても目が合ってしまう不動明王と眩しい6月の陽のもとで咲く紫陽花。

行きには気づきませんでしたが、石段からも、下る山道からも、太平洋(土佐湾)がよく見え、大変見晴らしの良いお寺でした。

時刻は12時半。そろそろお腹がすきました。

手打ちうどん いおき屋

神峯寺から下山し、再び海岸線の国道55号線に出ます。そして、土佐くろしお鉄道の駅でいうと、「唐沢駅」から高知に向かって二つ目の駅となる「伊尾木駅」に近いと思われますが、、、

国道55号線沿いに「いおき屋」と言ううどん屋さんを見つけたので、そこで昼食にしました。

↑ 6月12日(水)、昼食をとった国道55号線沿いの「手打ちうどん いおき屋」  Map 地点F

次回は、26話 高知 香南市(二十八番)〜高知市(三十番) です。お楽しみに・・・

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  >16話 クルマ遍路旅 -東名高速 西へ(実行初日)- (第一回区切り打ち遍路旅)

  >30話 クルマ遍路旅 -高知市〜土佐市- (第二回区切り打ち遍路旅)

  >37話 クルマ遍路旅 -第三回区切り打ち開始- (第三回区切り打ち遍路旅)

  >46話 早春3月の関東旅1日目 奥多摩〜甲州遍路以外の車中泊旅

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  >29話 クルマ遍路旅 -一回目のレビュー-第一回区切り打ち遍路旅のレビュー

  >36話 クルマ遍路旅 -第一回第二回のまとめレビュー- 一回目二回目遍路旅のまとめレビュー

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