暑かった今年(2024年)の真夏も過ぎ、9月27日からわたしは四国遠征第2弾に行くことに決めました。
ここで第一弾四国遠征で感じた”車お遍路の旅”の技術的な側面を、初心者の視点で少しお話をさせてください。ただし、私の個人的見解ですので、あくまでご参考まで…にしてくださいね。^^;)
お遍路に向いたクルマは、、、
まず車ですが、、、
お遍路旅の場合、クルマのサイズは小さければ小さいほどいいです。四国の札所付近の道は、なにしろ狭いです。里寺(平地寺)だろうが、山寺だろうが、札所に近づくにつれて道は細く狭くなります。里寺の場合は、古くからの寺下町の街区のままであることが多く、道が狭い上に民家や店舗の軒先が両側に迫っているところもあります。山寺の場合は、明治以降「歩き遍路用の道」(人が歩ける細い山道)とは別に車両が通るための林道が整備されたようですが、ほぼその時代の道路のままなのです。細く険しい九十九折りがほとんどです。全く舗装されていない酷いダートこそなかったと思いますが、舗装されているといってもグルーミング付きのコンクリ舗装のような簡易なもので、きちっとアスファルトで整備された車道ではないです。
もちろん団体ツアーの中型バスもある程度のところまでは入って来ていましたが、それはドライバーさんがプロの手練れだからです。そうやって入ってきたとしても、一般車とは別の離れたバス専用の駐車場までしか入れないところも少なからず見ました。
一般の人が2tトラックベースのキャブコンなどでお寺近くまで入り込むと、そこが里寺であれ山寺であれ、駐車場までの途中で、切り返しもできずに立ち往生することが容易に想像されます。現に私の第一回目のお遍路旅では、特に山寺の駐車場にはキャブコン型のキャンピングカーが駐車しているところを一度も見ませんでした。
里寺の駐車場に、バンコン的なキャンピングカーらしきものが駐車していた記憶はあります。ハイエースぐらいのキャンカーでしたら、お遍路車としてギリギリ取り回し可能かなとも思いました。
四国を軽快に走り回って札所に素早く到着することだけを目的とすれば、ベストな車は、例えばジムニーに代表される“軽”のしかも四輪駆動車がいいと思います。きっと軽四駆あれば、比較的楽に、、且つ機動性高く回れるんではないでしょうか?
わたしは二輪駆動のソリオですが、スモールサイズで、足を伸ばして車中泊することもできるという意味では、結果的にぎりぎりの両立だと思っています。
↑ 道はだいたい狭い!
車中泊について、、、
さて次に車中泊ですが、、、
これについては、旅の「手段」と見るか、それとも旅の「目的」として捉えるか、でずいぶんと考え方が変わってくると思いました。
キャンプとか車中泊そのものを目的とする場合は、装備は豊かであることに越したことはありません。料理をしたり、お酒を楽しんだり、コーヒーを入れたり、外にテーブルやチェアを出して・・・、タープやサイドオーニングなどで木陰を作りながら、その下で寛ぐとか、夜には焚き火用の道具一式なんかもあったらいいですよね。一箇所の滞在も比較的長時間になるでしょう。
しかし、目的がお遍路(札所を巡ること)だとなると、やはり車中泊は宿泊の一つの手段にすぎなくなりますので、“車の中で寝れれば十分”ということになります。食事もほぼ外食となり、水回りや食器類も要りません。洗顔なども全て外の施設でやっちゃいます。
私は第一弾の四国遠征時に、車に乗せてきたアウトドアドアテーブルやアウトドアチェア、水タンクなどは、結局一度も使いませんでした。
↑ これらは使用しませんでした。
そして、、車を停めて宿泊する場所もずいぶん変わってきます。
キャンプや車中泊が目的の場合は、やはりオートキャンプ場やRVパークを丁寧に探す必要があります。きちっと探し当てられれば、外部電源やクルマを横付けできるテラス、シャワーなども完備というところもあるでしょう。
しかし、手段としての車中泊を行うだけであれば、高速道路上のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、あるいは24時間トイレ使用可能な「道の駅」が手軽で便利です。
ただ、お風呂やシャワーなどは、サービスエリアや道の駅ではなかなか難しいですね。
「ハイウエイオアシス」のように豊富なフードコートや銭湯が併設されている施設ももちろんありますが、お遍路のコース上にそうそう簡単にはありません。ですので、サービスエリアや道の駅で手軽に車中泊をしようとするときは、その日の入浴は最初から諦めた方がいいかもしれません。
↑ 高速道路のSAPAや広めの道の駅は気楽。ただし銭湯併設はなかなか無い。
お遍路旅、最低限のクルマ電装は、、、
ソリオ(Cabin II Wish)の電装についてですが、、、
〜 第2章 納車編1〜で、かつて所有したことのある本格的キャブコンに比較して、ソリオは電装が不安だというお話をしました。
しかし、第一弾お遍路の旅を経て、その不安は大部分払拭されました。
納車時に修理に手こずったポータブルバッテリーへの走行充電は、修理後はすこぶる快調で、残電量が50%以下に減っていても、数時間運転すれば(エンジンさえかけておけば)、数時間で満充電に至ります。
お遍路旅中の私のポータブルバッテリーの使用量は、1日でざっと満充電の約半分でした。
使用用途としては、 ・ダイネットの照明が約5時間、・テレビやオーディオの視聴が1〜2時間、・PC等の使用が約1時間、・iPhoneやApple Watchの充電が一晩中、といったところです。
すべて、その日の宿泊場所に駐車し、エンジンを切った後の夜に集中して使用しています。
昼間はエンジンをかけて走行していますから、全てメインバッテリーからの給電で賄えています。
記述したような使用用途で一晩ポータブルバッテリーからの給電を受け、残電量を半分くらいに減らすわけですが、翌日には朝から車を走らせますから、午後には満充電になっているという具合でした。
このような使い方をしている以上は、ソーラーパネルによる更なる重ね充電は、今のところ不要です。今ソリオに積んでいるポータブルバッテリーは、エコフローというリチウムイン電池形式の製品です(2020年の調査によるとポータブル電源の世界シェアはJackeryに次ぐ2位だそうです。)が、
実は、個体別にBluetoothで自分のスマホと連動するアプリがあります。これによりわざわざリアゲートまで行って、リアゲートを開けてバッテリー自体をいじらなくても、メインスイッチのオン/オフや、AC/DCそれぞれの給電のサブスイッチのオン/オフなど、全て手元のスマホで制御が可能になります。残電量の確認や、充電給電のリアルタイムの状況も一目瞭然で、このスマホアプリとの連動は、とても便利な機能だと思いました。
↑ エコフロー(ポータブルバッテリー)とそのアプリ画面
さてそして、〜 第2章 納車編4〜 でお話した通り私のソリオは、さらにもう一つ、車のメインバッテリーと同様の鉛バッテリー形式の「サブバッテリー」を積んでいます。こちらは、FFヒーター専用となっています。〜 第2章 納車編4〜 では、「このバッテリーの残量計が無い」というお話をしました。が、実はこちらのサブバッテリーはメインバッテリーと連動していて、残量が30%を切ると、勝手にメインバッテリーから給電されるようでした。さらに、メインバッテリーの残量が30%を切ると、勝手に全ての給電が止まり、翌朝エンジンをかけたときに、車のメーター類の方でアラートが点灯するという仕組みのようです。まぁ、つまり二つの鉛バッテリーによって、簡単にバッテリーがあがらないように二重のリスクヘッジをしているようでした。ということで、一晩のFFヒーターの使用で、メインサブ両方のバッテリーの残量に致命的なダメージを与えることはほぼないようです。確かに、これまで一度もこのアラートが出たことはありません。(まだ一年経っていませんが、、^^;)
ということで、残量計を見ながら自分で管理しなくても、「まぁ、なんとかなるかなぁ・・・」と今は思っています。
11月下旬、12月上旬あたり、いよいよ寒くなってくる頃、多分今年最後の第三弾のお遍路に出かけると思いますが、その頃であれば車中泊のたびにFFヒーターをその都度一晩中使用することになります。
この時には、果たしてどの程度のダメージをサブバッテリーとメインバッテリーに与えてしまうか、改めて報告ができると思います。
全窓シェード(プライバシー確保)vs. 日々の面倒臭さ、、、
最後にもう一つ、ソリオ専用の窓用シェードです。
↑ ソリオ専用シェードと畳み方のマニュアル
〜 第2章 納車編3〜 では、専用シェードは「全ての窓を隙間なくふさぎ、完全なプライベート空間にすることができる」というお話をしましたが、当然、窓の数だけシェードがありますし、これを一つ一つ写真のマニュアルのように、小さくたたんで専用の袋に入れてしまうのは、日々の作業としては大変面倒くさいことになります。
偶然、Cabin II wishというこのキャンピング仕様のソリオの天井には、平たい小物類を収納するトレーがついていました。トレーと天井の間にちょっとした隙間があるんですね。多分、天井からフリップダウンして降りてくるダイネット側のテレビモニターを格納するために、特に意味はなく設けざるを得なかった天井トレーだと思います。
このダイネット後部の天井いっぱいに広がっている天井トレーに全部のシェードをほとんど畳むことなく、重ねて投げ挿すことができたのです。ソリオはもともとラゲッジスペースの高さがあるので、ルームミラーによる後方視界の妨げにもなりません。ただし投げ挿しただけでは、シェードのいくつかは手前にはみ出しており、不安定で、ブレーキをかけた時などは手前に滑り落ちてしまいます。
↑ 前半の写真が天井トレー。最後の写真がラゲッジネットで少しはみ出ているシェードの束を抑えている状態。
このときに活躍してくれたのが、〜 第3章 旅準備編3 〜 で、「本来の用途とは別の使い方で活躍することになる」とお話しした、荷崩れ防止用のラゲッジネットです。 このラゲッジネットを丸めて細長くして、後部座席用の左右のルーフレバーに引っ掛けて、天井の左右に渡します。天井トレーに広げたまま投げ挿したシェードの束に、伸縮性のあるこのネットのフックを引っ掛けておくことで、急ブレーキをかけても前に滑り落ちることもことがなくなりました。全窓シェードのこのしまい方のおかげで、夜朝の付け外しや格納がとても楽になりました。
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