〜 第5章 第2弾実行編4 〜 <9/30(月)四万十市〜足摺岬〜宿毛市へ>

初心者車中泊旅

<9月30日(月) 四万十 〜 宇和島>

曇り 時々 晴れ ODO 9,211km

三十八番札所 金剛福寺(こんごうふくじ)

午前7時45分、「ホテルココモ四万十」を出発。

まずは四万十川下流の土手沿いの道を河口まで走ります。国道321号線です。

今日はこの国道321号線が基幹道となり、土佐清水、足摺岬(金剛福寺)、宿毛(延光寺)と走っていくことになります。

ただ国道321号線は、足摺宇和島国立公園内(土佐清水市より先、足摺岬まで)は走っていません。

土佐清水市中心街から先の足摺岬の先端部分は県道しかなく、これが県道27号線です。

この県道が足摺岬を含む先端の半島を約20kmを一周しています。

そして、、、

三十六番青龍寺以降は札所間の距離が極端に長くなり、高知が「修行の道場」であることを思い知らされています。

昨日最後に訪れた三十七番岩本寺から今日最初に向かう三十八番金剛福寺(足摺岬)は、軽く90km離れています。昨晩宿泊した四万十市街中心部からでも50キロあります。

それでも、わたしのようなクルマ移動によるお遍路巡礼ははるかにマシです。

改めて・・・、

『歩きお遍路さんは、特にここら辺は、とても大変なんだろうな・・・』と感じました。

こんなに札所間が離れてしまうと、歩きお遍路では、30時間、あるいは40時間、一昼夜丸々歩き詰めても、次の札所にたどり着くことすらできません。

しかもこの辺の海岸線の険しさは室戸岬付近の比ではありません。

少しばかり砂浜があったかと思うと、その先はすぐ断崖絶壁です。

内陸の道を行こうにも、道自体の高低差の激しさといったら山道以上です。

現在、国道321号線と県道27号線が、それなりに整備されてるとはいえ、下の写真のような1車線、もしくはせいぜい1.5車線の山道です。

↑ 県道と言えどほとんど林道。鬱蒼としたガジュマルみたいな木々に覆われて、すぐ下が海とは思えない…

昔は「少なくないお遍路さんが、満ち潮の岩場で潮に足を取られ、遭難してきた。」という話も聞きましたが、

『そんな無茶をせず、内陸の道を行けば安全じゃないのかな・・・』

と、わたしは状況も知らず安易に考えていましたが、高知南西部の海岸線地形はことのほか険しく、一度海岸に出てしまったら、戻るに戻れなかったのでしょうね。はじめから内陸を行くにしても・・・、これでは山寺に向かう「へんろころがし」と同様、山岳遭難の危険性が上がってしまいます。それほど海岸すぐの陸地が険しい山地になっているのです。

・・・

海岸を行くお遍路さん

さてホテルココモを出発し、走ること1時間。四国最南端土佐清水市に入ります。ここからは、県道27号線左ルート(外回りルート)で足摺岬に向かいます。

午前9時、足摺岬駐車場到着。

車を降りると、むっとした湿度の高い熱風が顔を覆います。

独特の甘い香りも漂っています。

『おいおい、ここは沖縄か?!』

と思わせるほど、植生もこれまでとはまるで違っていて、風にそよぐ葉の音すらまるで南の島のようです。

県道27号線を挟んで、海側のすぐ下には足摺岬灯台があります。陸側はすぐに金剛福寺の立派な山門がそびえています。

この県道や灯台を含む、この足摺岬一帯の全てが金剛福寺の境内であるとのことでした。

とてつもなく広大です。そして、

ちょっと不思議な別世界です。

境内に入りますと、大きな池を中心とし、周囲を囲むように諸堂が配置されているので、広さの割りにお参りはしやすく、空も大きく、胸のすくような南国情緒あふれる抜けの良い素敵なお寺でした。

駐車場に戻り、次の三十九番札所延光寺(えんこうじ)を調べると、これが高知県最後の札所で、高知県の西の端、宿毛(すくも)市にあります。

しかしここ(金剛福寺)から、またもや70kmも離れています。

『今日はお参りというよりも、ほとんど移動だな・・・』

時刻9時40分、足摺岬駐車場出発。

県道27号線(外回り)でぐるっと足摺岬半島を一周し、行きに通った土佐清水市中心市街を抜けると、再び国道321号線になります。

この辺の国道321号線は通称「足摺サニーロード」というようです。

↑ 左:土佐清水の情緒溢れる入江湊 右:ジョン万次郎資料館から竜串町「見残し」を望む。奥が叶崎。

↑ 叶崎展望台に寄り道。誰もいない・・・。

高知県宿毛市 ラーメン まんき屋

11時30分、足摺岬をあとにして走ること1時間半、宿毛市街に入ります。

するとありました。宿毛市で一、二を争う人気のラーメン屋さん「まんき屋」です。

ここで昼食にします。

↑ ラーメン「まんき屋」 うまい! おすすめ。

三十九番札所 延光寺(えんこうじ)

宿毛の市街地からそう離れていない緩やかな山裾に三十九番延光寺(えんこうじ)はありました。

12時30分、延光寺駐車場到着。

なんだか肩透かしを食ったようななんの変哲もない普通の住宅街の真ん中です。

圧倒されるような大自然に抱かれた広大な札所が二つ三つ続いたせいか・・・、

しかもとても長い距離の移動でしたので・・・、

こんな住宅地に馴染むように建っているコンパクトな境内と、気楽な高低差のない里寺は、なんとも久しぶりで・・・、少し心を緩めてくれます。

↑ 久しぶりの里寺。心が和む。

山門をくぐってすぐに梵鐘を背に背負った赤亀の石像が出迎えてくれます。

とても愛嬌のある石像です。

そういえば、一つ前の足摺岬の金剛福寺にも亀の石像がありました。

やはりこの辺りは海の自然との関わりの中で、ウミガメなどの生物すら、山河や海空といった自然の畏敬と同様に信仰の対象となっていたのでしょう。

↑ 和みの延光寺  左:梵鐘を背負った亀像 中:質素な本堂 右:さらに小さな大師堂

午後1時、延光寺出発です。

さあこれで高知県の札所はすべて終了です。

次の四十番札所 観自在寺(かんじざいじ)からはいよいよ「菩提の道場」愛媛県に入ります。

四十番札所 観自在寺(かんじざいじ)

見るといつの間にか、道は、国道56号線に戻っています。

そうなのです。高知南岸の基幹道であるこの国道は四万十市から西の宿毛市にバイパスしていて、そのまま愛媛県の宇和島市に抜けているのです。

『それにしても、一つ一つがいちいち離れているな・・・』

延光寺から観自在寺までの距離は約30キロ。それでもこの辺の札所間の距離にすれば、短い方なのでしょう。

↑ この辺の国道56号線は、全線のなかでたぶんもっとも交通量が少ない。

四十番札所観自在寺駐車場到着。14時です。

愛南町(あいなんちょう)御荘湾(みしょうわん) のほとりにある古い御荘の町並みの中に溶け込むように建立されています。

ごく最近になって再建されたのだと思います。大変近代的に整備されたお庭、樹木、そして整然と並ぶ諸堂が見事な配置をしています。

そしてここで出迎えてくれる動物の石像は、今度はカエルでした。何とも微笑ましい像です。

境内からの空への抜けがものすごく良く、しかもその空は青く澄み渡っていて、とても気持ちの良い札所でした。

高知の難所が終わったからなのでしょうか?

ここ愛媛最初の札所で妙にゆっくりしてしまいました。

納経/ご朱印を済ませて車に戻ると、もう午後3時近くです。

少し慌てて次の四十一番 龍光寺(りゅうこうじ)をカーナビにセットします。

『なに! また50km以上! 到着予定16時過ぎだと・・・?!』(>_<)

なんと、次の札所は宇和島市の北の端、三間町(みまちょう)にありました。思っていたより遠いです。

愛媛県に入ってからも札所間の距離は一向に縮まりません。^^;)

この時間、ここから無理して次の龍光寺へ向かうと、お参り自体が終わる頃には夕暮れとなってしまいます。お風呂も、食事も、寝る場所も、どれもこれも探すのが面倒くさい時間に突入しそうです。

なので、、、

『まだ明るいけど、今日はここまでにしよう・・・。』

今日は、この四十番観自在寺にて打止めとアッサリ決めました。^^;)

なんと!今日、回れた札所はたったの三つです。多分、あとにも先にも丸一日かけて三つの札所しか回れないのは今日だけでしょうね。

幸い、ここから国道56号線を少し行ったところに、「ゆらり内海」という国道オアシスがあります。

温泉、食事処、24時間トイレなど車中泊にはもってこいの良さげなところです。

明るいうちからゆっくりと温泉風呂にはいるのも、行き当たりばったりクルマ遍路旅ならでは楽しみです。

早速向かいます。

愛媛県愛南町「ゆらり内海」

↑↓  「ゆらり内海」。 温泉入って、夕暮れ楽しんで、飯食って・・・、最高でした!!

↑ 駐車場から林を抜けると内海海岸。右手奥に由良半島が望める。  夕飯はもちろん宇和島鯛めしずくし

もちろん、このまんまこの日(9月30日)は車中泊です。

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