38話 第三回区切り打ち開始<東京有明〜香川大野原(六十六番)>

クルマ遍路実行三回目
 

11月22日(金) 東京有明出港 〜 11月23日(土)香川県大野原

六十六番札所 〜 七十五番札所

11月22日(金) 東京から三たび徳島港。そして香川へ

東京天気:くもり  出発時ODO:10,186km

17:00 三回目の区切り打ちお遍路のため東京を発ちます。

18:00 有明フェリーターミナルより「フェリーびざん」に乗船。

19:00 東京有明ターミナルを出港。この日は船中泊となります。

↑ 左:有明で乗船を待つ  中:航海中  右:徳島港下船直後


11月23日(土) 天気:(徳島)くもり  出発寺ODO:10,186km

13:30 フェリー「びざん」、予定どおり徳島港に到着。

11月23日(土) 第六十六番札所 雲辺寺(うんぺんじ)

今回の区切り打ちは、香川の六十六番札所 雲辺寺(うんぺんじ)からのリスタートです。

フェリー下船後、徳島沖洲ICより徳島南自動車道に入り、高松自動車道へ分岐しました。 津田の松原SA(下り)で昼食をとり、高松自動車道 大野原ICで高速を降ります。

↑ 高松自動車道で最初に寄った津田の松原サービスエリア Google MapはSAの場所

その足で、雲辺寺ロープウェイ山麓駅へ向かいました。

六十六番札所 雲辺寺(うんぺんじ)

16:00 雲辺寺ロープウェイ山麓駅 駐車場に到着します。

フェリーが徳島港に着いたのが13時半なので、香川県の西の端まで行くのにはやはり時間がかかります。 札所へ登るロープウェイの駅に着いたのは夕方になっていました。 それでも今日中に札所一つは参拝しようと決め、ロープウェイの切符を購入します。

第一回目に太龍寺のロープウェイに乗り損ねた失敗を思い出し、『同じ轍は踏むまい』と予習を怠らなかったことが功を奏しました。カーナビの目的地設定を“雲辺寺そのもの”にしていたら、きっととんでもないところに連れて行かれたことでしょう。(※ 22話 23話 参照してください)

16:20 ロープウェイに乗車。

16:30 標高900mの雲辺寺山頂駅に到着します。

↑ 雲辺寺ロープウエイ  頂上駅からは遥か遠くに瀬戸大橋も見える

気温3℃。外はすでに暗くなりはじめ、雨まじりの空模様と相まってとても寒かったです。

16:40 本堂と大師堂を巡り、16:50には五百羅漢を眺めた後、納経所へ向かいました。

↑ 暮れかけの雲辺寺  五百羅漢は圧巻  ただし寒い!

季節は晩秋です。日が落ちるのが早く、あたりはどんどん暗くなっていきました。 17:00、納経・御朱印を済ませ、復路のロープウェイに乗りました。

↑ 復路のロープウエイ  大野原から善通寺市街まで見渡せる

17時を過ぎました。この日のお参りは雲辺寺のみで終了です。それでも四国に到着した日に一つの札所でも回れたのはよかったと思います。

17:30 高松自動車道の大野原IC近くにある「大野原中央公園」方面へ向かいました。

18:00 偶然見つけた「萩の湯」で温泉にはいることができました。今日は車中泊と決めていたので、お風呂に入れたのはラッキーでした。土曜の夜だからか、結構混んでいました。

その後、隣接の「101食堂」にて夕食(からあげ定食)です。

この日は「萩の湯」からほど近い場所に「大野原中央公園駐車場」(24時間トイレあり)はありました。今夜はここで車中泊です。

駐車場にはわたしのSOLIO一台だけで、とても静かな夜でした。


↑ 萩の湯と隣接する101食堂  静かな一台のみの車中泊

11月24日(日) 六十七番札所大興寺 〜 七十五番善通寺

11月24日(日)天気:晴れ  出発時ODO:10,329km

6:00 起床。 第六十七番札所 大興寺へ向かいます。

道中のファミマで朝食をとり、今日の身支度をします。

第六十七番札所 大興寺(だいこうじ)

8:15 六十七番札所 大興寺(だいこうじ)に到着しました。

田園の緩やかな傾斜地に建つ、牧歌的な雰囲気の札所です。気温は7℃。

それでも昨日の雲辺寺に比べると暖かく感じました。風景も長閑で落ち着いています。

よく見ると「大師堂」が二つあります。納経所で寺事務の方に尋ねると、一つは「天台宗大師堂」であるとのこと。

『ホントか?!・・・』

第二回目の遍路旅の道中にも一ヶ所だけ天台宗の札所があり、それだけでも驚きでしたが・・・、

この札所は真言宗興祖「空海(弘法大師)」天台宗興祖「最澄(伝教大師)」両方のお堂を建立し、それぞれを崇め祀っているのでしょうか? 

にわかには信じられませんでした。

『・・・でも、これが真実なのだろうなぁ・・・』

なんだか・・・自分がかたく信じてきた宗教観がどんどん柔らかくなり、形も壊れていきます。

四国に来るようになって、宗教観だけでなく自分の常識が変わっていく気持ちよさを感じています。不思議な感じです。

↑ 大師堂が二つ(真言宗と天台宗)ある大興寺  とてものどかで牧歌的・・・

8:40 大興寺を出発。

六十八番札所 神恵院(じんねいん)六十九番札所 観音寺(かんのんじ)

自分の“当たり前を崩してくれること”はさらに続きます。(^_^;)

9:10  六十八番札所 神恵院(じんねいん)に到着です。

と思いきや、ここは「六十九番札所 観音寺(かんのんじ)」でもありました。

七宝山という同じ山号を持つ、同一の境内にある珍しい双子札所なのです。

一緒の境内に別のお寺(札所)があるんですよ。^^; )

山門を入って左側に神恵院の本堂と大師堂右側に観音寺の本堂と大師堂がそれぞれあります。

しかも神恵院の本堂は、見たこともない「コンクリートうちっぱなしの白い四角いビル」です。

呆気に取られながら神恵院側の参拝を済ませて納経所に行くと、なんと納経所までもが共用でした。納経/御朱印は六十九番観音寺を合わせて、2つの札所分いっぺんにいただくのです。

いやいや驚きました。

こんなところ(二つの札所が一ヶ所にあるの)は、八十八ヶ所でここだけだと思います。

↑ #68神恵院,#69観音寺の双子札所  ごっつい仁王門まで”共有”、二寺の名称が掲出されてる!

↓ 境内の最上部から屋根を眺めると、より渾然一体となっている二つのお寺

はじめての遍路にとってはとても”変”で、違和感に近い面白さがありました。

10:00 神恵院・観音寺を出発しました。

第七十番札所 本山寺(もとやまじ)

10:15 七十番札所 本山寺(もとやまじ)駐車場到着。

高い五重の塔が車を停める前から見えています。そしてお寺は完全な平地寺です。広い境内ですが、高低差はありません。

駐車場からすぐ札所の敷地に入れますが、その入り口に小さい一層の仁王門が建っています。

仁王門の先正面に本堂があり、敷地に沿って整然と諸堂が立ち並んでいます。お庭も手入れが行き届いていてたいへん綺麗なお寺です。仁王門と本堂は国の重要文化財でした。

下から見上げる五重塔はさらに迫力があり、色彩が無いことがより威厳を増しているようでした。

↑ 雰囲気溢れる里寺「本山寺」  消失を免れた年代物の建造物はすべて指定重要文化財

↓ 本山寺境内360度

10:45 本山寺出発。

第七十一番札所 弥谷寺(いやだにじ)

11:10 七十一番 弥谷寺(いやだにじ)到着。

標高400m、の弥谷山のほぼ山頂にあり、昨日の雲辺寺以来の本格的な山寺です。

相当下の駐車場で車を降ろされ、最初に530段の“踊り場のない石段”を登ります。いきなりこれはきついです。(^_^;)
そして石段はそれで終わらず、てっぺんまでに「これでもか!」というほどの石段銀座です。

弥谷山の崖面すべてが境内のようで、敷地の高低差はものすごくあり、これまでの山寺に引けを取りません。途中には崖面を掘り抜いた磨崖仏(まがいぶつ)があり、想像以上の山岳信仰寺のようです。

↑ 七十一番弥谷寺  まず石段! そして石段!  さらに石段!  ずっと石段!

頂上に本堂があり、そこからずいぶんと降りて大師堂があります。大師堂だけ土足厳禁であったり、さらに奥には密教修行の岩屋があったり、その大師堂の中に納経所があったり、はじめての参拝者には「わかりにくいこと、この上ない」です。 ^^; )

ですがその分、絵に描いたような荘厳で幽幻な山岳信仰を感じることができて、気持ちも厳かになっていきます。

↑ 登るのはたいへんだが、その分幽幻さを味わえる  胸を透くような景色のご褒美も

讃岐ラーメンはまんど

13:00  山を降り・・、たぶんこの辺は三豊市三野町になると思われますが、そこの名店「讃岐ラーメンはまんど」で昼食をとりました。

↑ 讃岐ラーメン「はまんど」  名店だけにお昼も混んでいる


13:30 讃岐ラーメン”はまんど”出発。

第七十二番札所 曼荼羅寺(まんだらじ)

13:45 七十二番札所 曼荼羅寺(まんだらじ)到着。

ここは一転、絵に描いたような里寺です。境内全体が見渡せるうえ、少し高台になっているため、景色を楽しむこともできました。空は抜けるように青く、晩秋の乾いた空気に葉が色付いていてとても感じの良いお寺でした。 今は紅葉のいい季節です。もう少し自分も余裕をもって風景を楽しもうと思いました。

↑ 抜けのいい高台のお寺「曼荼羅寺」  気分晴れ晴れ!

14:10 曼荼羅寺出発。

第七十三番札所 出釈迦寺(しゅっしゃかじ)

14:15 出釈迦寺(しゅっしゃかじ)駐車場到着 

お寺は山すそに建っているため、斜面に沿って徒歩で少しのぼります。
上に着くとまっ平で、お寺は思ったよりコンパクトな造りでした。お参りし易かったです。

目の前にそびえる「捨身ヶ嶽」が西陽に照らされ、青い空にくっきりと浮かび上がっていました。

↑ なだらかな斜面の上の「出釈迦寺」  思ったよりコンパクトでお参りしやすい  西陽にてらされた「捨身ヶ嶽」がキレイ!

14:45 出釈迦寺出発

第七十四番札所 甲山寺(こうやまじ)

甲山寺は、出釈迦寺から3kmと離れていません。牧歌的な田舎の田園を5分走ると、山門が見えます。山門の前が広々した甲山寺(こうやまじ)の駐車場でした。

↑ 出釈迦寺から甲山寺に向かう田舎の道  山門に着くとそこが甲山寺の駐車場

15:00 甲山寺駐車場着 

山門を入るとすぐにもう一つ門がありますが、決して仁王門のような大仰な風情はありません。

すべてがコンパクトにできていて、数分ですべてのお堂をお参りすることができます。肩の力が抜けた、とても感じの良いお寺でした。

↑ コンパクトでいい感じのお寺「甲山寺」

15:20 甲山寺出発。

第七十五番札所 善通寺(ぜんつうじ)

15:30  七十五番 善通寺(ぜんつうじ)到着。

四国霊場の中でもっとも有名なお寺がこの善通寺でしょう。空海さん(弘法大師)の生まれ故郷でもあります。金剛峰寺(高野山)、東寺(京都)、とここ善通寺を合わせて『三大霊跡』というようです。
とてつもなく広いです。本堂(東はじ)から大師堂(西のはじ)まで300mはあるでしょうか。

本堂のある東院と、大師堂のある西院、は境内を分けていて、それぞれに山門があります。

↑ 香川県善通寺市の市街地のまんなかにある「善通寺」  とても広大な境内

そして七十番本山寺にあった五重塔のひと回りも二回りも大きな五重塔が聳えています。

(※この五重塔は、45mあるようです。)

ここでは大師堂を御影堂と呼び、本堂や釈迦堂もたいへん立派で、さすが総本山といった風情です。でも、愛媛今治の南光坊(五十五番札所)でも感じましたが、お寺がどんなに大きくて立派でも、決して人を寄せ付けない雰囲気がありません。人々の生活に溶け込んだ渾然一体感が強いのです。

↑ 諸堂も全て立派  四国一高い五重の塔  善通寺を象徴する大きな楠の木

↓ 東院の境内360度

駐車場に戻ったのは16寺半ごろ、今日の札所参拝はここ善通寺で終了とします。

善通寺グランドホテル 街中華「龍江」

17:00 善通寺グランドホテルにチェックインしました。

朝食付で¥6,100-。立地の割にはリーズナブルです。

18:30 夕食は善通寺グランドホテル近くの中華「龍江」というお店でした。

↑ 善通寺グランドホテル と 中華「龍江」

11月24日(日)は以上で終了。

明日は、第七十六番札所 金倉寺(こんぞうじ)からです。

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