第三回実行編2 クルマお遍路旅 第三回実行4日目11月25日(月)。 善通寺グランドホテルを発ち、同じ市内の七十六番 金倉寺から香南市の八十二番 根来寺までの札所巡りと「香南楽湯 」という道の駅で車中泊するまでのお話しをします。
天気:晴れ 出発時ODO:10,383km
第七十六番札所 金倉寺(こんぞうじ)
8:40 善通寺グランドホテルを出発。
8:55 七十六 金倉寺(こんぞうじ) 駐車場(有料200円)着。
金倉寺は善通寺市市街地に建立されている典型的な市中平寺です。フラットで広い境内です。
ここで昨晩の善通寺グランドホテルで会った外国人夫妻(妻:オーストラリア・夫:イギリス)に再び合いました。「二人とも、もともと仏教に興味を持って日本に来ていたようで、偶然二・三度あっているうちに日本で結婚したとこのことです。二人とも仏教学の日本の学位(詳しくは聞けませんでした。)を取得していて、「いつかは必ず来たいと思っていたShikoku-Pilgrimに来た。」と話していました。二人は今、大阪在住とのことです。
お遍路にはいろいろな人がいます。外国人も決して珍しくはありません。“歩きお遍路をしている外国人”も少なからず見てきました。詳しく話したわけではないので、どのように情報を集め、どこに泊まり、一日どのくらい歩いているのか・・・などはわかりません。
ただ、日本にまで来て、そしてこの厳しいお遍路を実行するのは簡単なことではありません。
『ただただ凄い!』と思います。
・・・
そしてこの札所(七十六番金倉寺)については、なんとまた「天台宗のお寺」でした。自分の記憶の限り二つ目です。もっとあるのかもしれません・・・。
(※後で調べると、四国八十八ヶ所霊場のうち天台宗の札所は全部で4つあることがわかりました。これまでの札所にすでにあったのかもしれません・・。)
本堂の額には、弘法大師と智証大師(円珍)が並んでいます。 ふと、大師堂そのものが二つ並んでいた昨日の六十七番 大興寺を思い出しました。四国霊場には、天台宗のお寺があったり、真言宗のお寺なのに天台宗のお堂があったり、どこまでも排他的でないことが興味深いです。






↑ 七十六番金倉寺 ぱっと見では天台宗とは判らない。でもどこか禅宗の渋さが・・・
9:35 金倉寺発。
次の道隆寺までは4kmです。平坦な市外道路(県道25号線)を10分行けば、県道沿いにあるのですぐにわかります。
第七十七番札所 道隆寺(どうりゅうじ)
9:45 第七十七番札所 道隆寺(どうりゅうじ) 到着。
この辺はずっと市街地平寺が続くのでお参りはしやすいです。
いきなり幾重にも立っている真っ赤な稲荷鳥居(“脇鳥居”とも言う小ぶりのシンプルな鳥居です。)があります。そして左右向かい合わせの20体以上におよぶ観音石像が参道の両側にあり、とても目を引きます。
それと、この札所には「眼病治癒に霊験あらたかな潜徳院殿堂」というお堂があります。
私の今年の四国八十八ヶ所霊場お遍路の目的の一つは、不治とされている自身の眼病が少し回復して、こうして四国を自分の車で走り回れるまでになったことへの「お礼参り」でもありました。
この私だけの事情で言えば、七番十楽寺(徳島)の治眼疾目救歳地蔵尊、三十九番延光寺(高知)の宝医水眼洗い井戸、と並び、ここ香川県七十七番道隆寺の潜徳院殿堂は、特別な場所でもあります。
本堂、大師堂をお参りした後、この潜徳院殿堂にゆっくり手を合わせました。






↑ 七十七番道隆寺 本堂の右隣りに潜徳院殿堂がある。
10:10 道隆寺出発。
香川県第二の市街地丸亀市街の真ん中を通り抜け、約8km先が次の札所 郷照寺です。
第七十八番札所 郷照寺(ごうしょうじ)
10:30 七十八番 郷照寺(ごうしょうじ)到着。
駐車場は山門をくぐった境内の中にあり、随分境内の奥まで車で行くことができました。
歩きおへんろさんに挨拶しながら、境内の奥の駐車場までゆっくりとクルマを走らせます。
少し山裾にかかるので、境内には高低差がありました。本堂、大師堂などは上の方にあり、上の方は市街が見渡せて気持ちがいいです。
ふと見ると大師堂の横に何やら地下に向かう入り口があります。興味の赴くままにその入り口から地下に行きました。ここは「万体観音堂」と言うようです。
多くの黄金の観音像が祀られています。一体一体は20〜30cm程度の像ですが、いったい何千,何万?あるのでしょうか。ものすごい数の金色の観音像に、入り組んだ通路全てが覆われているのです。
なかなか圧巻です。・・・地下の厳かな雰囲気と相まって幻夢的な気分になります。
そして再び晴れ渡った外に出て、境内のもっとも奥まで足を運ぶと、そこにはとても素敵な庭園があります。有料(確か300円・・)ですが、この奥のお庭と池の風景もものすごくいいです。






↑ 七十八番郷照寺。 万体観音堂と一番奥の有料庭園は必見
この札所(七十八番 郷照寺)に行かれるのであれば、ぜひ時間に余裕を持って、この「万体観音堂」への入堂と「有料の庭園」の拝観は行ってください。損はしないと思います。
11:15 郷照寺を出発。
平らな市街地は続きます。郷照寺から次の札所 天皇寺までは平地の県道33号線を10分行けば着きます。
比較的交通量の多い片側2車線の県道33号線を進んでいると「はなまるうどん」の看板が目に入りました。ちょっと早いですが、お昼にします。
11:30 「はなまるうどん坂出白金店」でランチ。 ¥650,-



↑ 坂出市(丸亀市に隣接)にある「はなまるうどん」 丸亀製麺は坂出にも丸亀にも無い。らしい!
12:10 はなまるうどん出発。
ここはすでに坂出市。天皇寺はもうすぐそこです。
第七十九番札所 天皇寺(てんのうじ)
12:25 七十九番 天皇寺 到着。
『え?! これが寺の門?』
『なんだ? この鳥居!』
またまた出ました四国お得意の「神仏習合」です!
しかも見たこともない変な鳥居なのです。本鳥居の両側に脇鳥居が張っています。いやいや長いこと生きてきましたが、この鳥居は見たことがありません。・・
右横には確かに「四国七十九番霊場 天皇寺」と彫られた石柱もありますから、ここが目指す「天皇寺」であることは間違いありません。クルマお遍路旅ではこれまでにも多くの“神仏習合”を見てきましたので、慣れているはずですがこの入り口には驚きました。
後で聞きますが、この珍しい鶴翼三段構えの鳥居は「三輪鳥居」と呼ばれているようです。そして、お寺なのに山門はありません。
三輪鳥居をくぐり参道を進むと、正面に白峰宮という神社の本殿が建っています。お寺としての本堂は、大師堂とともに境内の左手奥につつましく建っていました。
そうなのです。明治の“神仏分離令”以前の神社と別当寺の位置関係がそのまま残っているのです。






↑ 七十九番天皇寺。 入り口の三輪鳥居にも驚いたが、境内のレイアウトも”神仏分離令”以前のまま
なかなか不思議な印象深い札所でした。
12:55 天皇寺を出発。
次の八十番國分寺までは平地の市街です。天王寺からの距離は7km、県道33号線を10分も走れば着くはずです。
第八十番札所 國分寺(こくぶんじ)
13:05 八十番 國分寺到着。
松林に覆われた不思議な里寺でした。市街地にあるはずですが、ここだけ妙に雰囲気のちがう別世界のようです。フラットな境内は、まさに一面背の低い松の木に覆われています。真っ青な空に乾いた晩秋の空気に包まれて、凛として音の無い世界が広がっていました。






↑ 松林に覆われた八十番國分寺。 乾いた真っ青な空。 凛として音の無い境内
13:45 國分寺出発。
第八十一番札所 白峯寺(しろみねじ)
次の白峯寺とその次の八十二番根香寺は、坂出市と高松市を隔てる五色台という山地にあります。國分寺から白峯寺までは14〜15km、里寺巡りは終わり山路に入ります。2車線ある走りやすい葛折りを10分ほど登ると白峯寺の駐車場があります。
14:10 八十一番 白峯寺(しろみねじ)到着。
まず目に飛び込むのは綺麗な紅葉でした。標高は5〜600mあるのでしょうか。空気の冷たさが平地とは違います。この紅葉目当ての観光客の人たちも結構居ました。人もバスも車も、さっきまでの平地寺では見られなかったほど多かったです。
境内に入ると、手水場の先に結構長い石段があります。それを登ると、下から鐘楼、薬師堂、行者堂、阿弥陀堂、と4つのお堂が石段の脇に順に建てられていました。そして石段を登り切ると、ようやく本堂と大師堂が現れます。この二堂にお参りをする頃には、相当に息が上がっていました。^^; )
この石段参道はなかなかハードです。
実は石段を登る手前、山門を入ってすぐのところに納経所と隣接して護摩堂があるのですが、石段を登ることのできないお年寄りなどのために、この護摩堂で本堂/大師堂のお参りの代替ができるとのことでした。
『なるほどな・・・、昔のまま厳しいだけだとお客さん減っちゃうもんな・・』






↑ 紅葉真っ盛りの八十一番白峯寺。 石段のキツい人用に下の護摩堂で代替参拝ができる。
第八十二番札所 根香寺(ねごろじ)
15:00 白峯寺出発。
根香寺までの距離は8kmくらいです。さきほど登ってきた五色台スカイラインをさらに登り、峠を超えて高松市に入りました。約15分の葛折りの一本道です。とても走りやすく迷うこともなく根香寺の駐車場を見つけることができます。
15:15 第八十二番 根香寺到着。
ここは、まだ五色台の山中に位置する山寺です。紅葉の綺麗な五色台スカイラインの登り下りは結構激しかったのですが、お寺の境内に入るとはあまり高低差はありません。
ここはまた、山の木々の色着きがひときわ綺麗です。白峯寺からもさらに登りましたので、気温もさらに低い気がします。ほぼ五色台の山頂なので見晴らしもよく、瀬戸内海の島並みが西陽に輝いてすっきり見えました。この景色は感動です。






↑ 白峯寺のさらに上、五色台のほぼ山頂にある八十二番根香寺。色鮮やかな木々と眺めの良い景色
道の駅「香南楽湯 」
16:00 根香寺出発。
瀬戸内の景色に見惚れていてずいぶんゆっくり根香寺に滞在してしまいました。今は11月の終わり、晩秋です。一回目(6月)二回目(9月)と違って陽が落ちるのがとても早いのです。あっと言う間にあたりは暗くなってきてしまいました。山を降り、高松市街に出た頃にはどっぷりと日が暮れていました。すぐそこは高松市役所です。本来便利なはずの市街地ですが、車中泊をしようと思った途端こんな街中に「道の駅」や「オートキャンプ場」などは無く、これほど不便なところはありません。
しかも明日最初の八十三番一宮寺は高松市内にありますので、ここ(高松市街)からあまり離れたくはありません。ジレンマを抱えながら少し調べると、なんとかありました。高松市の南方、高松空港との間に位置する道の駅「香南楽湯 」です。
19:00 道の駅「香南楽湯 」到着。
しかし残念、食事処は19時で終わったところでした。すぐ今来た道を引き返し、道の駅の人に教えてもらったさぬき新道青南「和幸」に駆け込み、営業時間中になんとか夕食も済ますことができた。






↑ 夕食を先にとり、再びもどった道の駅「香南楽湯 」。なんとか泊まれた・・・
そして、再び道の駅「香南楽湯 」にもどり、車中泊をすることができました。
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