クルマお遍路旅一回目 実行四日目 6月11日(火)午前中のお話しです。
出発時 ODOメータ:7,118km 天気:曇りときどき晴れ
21話 記事の全道程(Google My map)
この記事で分かること
徳島県内での四国お遍路旅4日目、十六番観音寺から十九番立江寺までの札所巡りの詳細を記述。地元の昼食スポット「キッチンゑみ」でのエピソードや、お遍路中に出会った集団巡礼の人々との交流の様子を描きます。
第十六番札所 観音寺(かんおんじ)
8時過ぎに「道の駅いたの」(Map 地点A)を出発しました。そして15分程度で十六番観音寺(かんおんじ)に到着です。
16番観音寺 概要
宗派:真言宗高野山派 山号:光耀山(こうようさん) 院号:千手院(せんじゅいん)
アクセス
・カーナビ設定( 簡単 )
「16番観音寺」で検索OK、電話番号OK。
・前札所からの道( 楽 )
「15番国分寺」から2.2km、ナビや標識に従えば迷わないが、最後のアプローチは狭い市街道路。 🅿️は山門を過ぎた先にある。
・🅿️からの境内アプローチ( 楽 )
🅿️から山門はすぐ。境内もコンパクトで参拝はし易い。
お寺の種類
区分 | 市街区 | 田園区 | 海浜区 | 森林区 | 岩崖区 |
平地寺 | ○ | ||||
傾斜地寺 | |||||
山岳寺 |
宿泊事情
・宿坊なし。 ・付近は旅館が数軒あり。 ・車中泊場所は徳島市(20km)か小松島市(15km)まで出ないと無い。
16番観音寺 雑記
16番札所はとても静かな住宅街の真ん中にあります。古い市街区画のままと思われ、道はやたらと狭いです。典型的な市街地の里寺なので、急峻な登りや下りや石段はありません。
境内はそれほど広くなく、木々で覆われているわけでもないので札所全体が見渡せます。山門を入って正面すぐが本堂、すぐ右に大師堂、すぐ左が納経所と、大変コンパクトにまとまっていました。
8時半ちょっと前に駐車場について手順を踏んで参拝し、納経・御朱印をいただいてクルマに戻りましたが、まだ8時40分でした。これまでの札所の中で最短のお参りです。



↑ 住宅地の真ん中にある観音寺
第十七番札所 井戸寺(いどじ)
17番井戸寺 概要
宗派:真言宗善通寺派 山号:瑠璃山(るりざん) 院号:真福院(しんぷくいん)
アクセス
・カーナビ設定( 簡単 )
「17番井戸寺」で検索OK、電話番号OK。
・前札所からの道( 楽 )
市街地道路。 「16番観音寺」から3km、ナビや標識に従えば🅿️までは迷わない。 🅿️無料。
・🅿️からの境内アプローチ( 方向注意 )
🅿️は山門と反対側にあるので、歩き出しの方角に注意が必要。 境内はコンパクトなので参拝はしやすい。
お寺の種類
区分 | 市街区 | 田園区 | 海浜区 | 森林区 | 険崖区 |
平地寺 | ○ | ||||
傾斜地寺 | |||||
山岳寺 |
宿泊事情
・宿坊なし。 ・付近は旅館が数軒あり。 ・車中泊場所は徳島市(20km)か小松島市(15km)まで出ないと無し。
17番井戸寺 雑記
9時10分、十七番井戸寺(いどじ)到着です。
久しぶりの朱色を基調とした派手な山門です。しばらく渋いお寺が続いていたせいか、とても懐かしい感じです。こちらは仁王門と呼ばれています。
ふと見ると、昨日確か十四番常楽寺とかでご一緒になったバスでの集団巡礼のご一行に再び出くわしました。・・・が、考えてみればこうなる可能性は高いのです。
”こうなる”というのは、同じ巡礼者や巡礼集団と別の札所で再開することです。
四国八十八ヶ所お遍路巡礼は、「順打ち」と言って一番札所から二番、三番と順番に四国を時計回りに回っていくか、「逆打ち」と言って八十八番札所から八十七番、八十六番と四国を反時計回りに逆の順序で回っていくしかありません。時々ランダムに回る方もいらっしゃるようですが、相当稀なようです。ですので、歩き遍路なら歩き遍路の人々同士、クルマ遍路ならクルマ遍路の人々同士、一度ペースが一致してしまうと、異なる札所でも再会する確率はぐっと上がります。
自分は車お遍路ですが、初めてで慣れてないこともあり、手慣れた車お遍路巡礼者に比べれば、ペースは遅い方です。逆に、ツアーバスは、道は知っているし運転は手慣れたものなので札所間の移動は早いのですが、集団で行動しますし納経・御朱印にも時間がかかりますので、どうしても全体の巡礼ペースは遅くなってしまいます。なので、結果的に自分のペースと、バスでの集団お遍路さん達のペースが合ってきてしまったのでしょう。
また白衣や、輪袈裟、金剛杖など独特の出立ちなので、お遍路さん同士は当然直ぐわかり、道すがらだろうが、札所の中だろうが、会えば挨拶をします。
このバスでの集団お遍路さんたちとも異なる札所で、何度か挨拶しているうちに、
こちらも、「あれ、また会ったぞ、、、 あのバスにこの人たち!」
向こうさんも、「あれ、またいたぞ、あの珍しい色の横浜ナンバーの車と、あの坊主頭の人!」
というふうに自然に少しずつ覚えていくのです。
そして・・、お互い車とはいえ、
「あの人だって、あの人たちだって、あの険しい坂道や結構厳しい石段の上り下りを、同じように苦労しながらやってきているんだ・・・」という微妙な共感や連帯感が、ほんの1日や2日でも生まれてくるのです。



↑ 朱色の大きな山門が特徴の井戸寺 本堂も大師堂も屋根瓦の装飾が立派
札所自体は、高低差もない非常にコンパクトな里寺でしたので、一つ前の観音寺と同様、割と短い時間で参拝を済ませることができました。
第十八番札所 恩山寺(おんざんじ)
9時10分過ぎ井戸寺を出発。井戸寺を出ると、次の十八番恩山寺(おんざんじ)までは20kmあります。
18番恩山寺 概要
宗派:真言宗高野山派 山号:母養山(ぼようざん) 院号:宝樹院(ほうじゅいん)
アクセス
・カーナビ設定( 簡単 )
「18番恩山寺」で検索OK、電話番号OK。
・前札所からの道( 楽 )
「17番井戸寺」から20km、国道55号線南下が中心。ナビや標識に従えば迷わない。最後、少し山を登る。 🅿️無料。
・🅿️からの境内アプローチ( 少しハード )
🅿️からは登坂(石段3ヶ所あり)、本堂まで徒歩3〜5分。
お寺の種類
区分 | 市街区 | 田園区 | 海浜区 | 森林区 | 険崖区 |
平地寺 | |||||
傾斜地寺 | ○ | ||||
山岳寺 |
宿泊事情
・宿坊なし。 ・付近は旅館が数軒。「ホテルAZ徳島小松島店」3km。 ・車中泊場所は小松島市海岸線にキャンプ場、公園駐車場などいくつかあり。(4km)
18番恩山寺 雑記
アプローチで山を登りましたので、井戸寺からは1時間近くかかりました。そしてここから徳島市を離れて小松島市に入ります。高知に向かって本格的な南下の始まりです。
10:15 駐車場に到着です。
「うわー、またいた! あのバス!」・・・
歩き出すと、最初から相当な急坂です。山門なんか見えません。坂道を登り切ると、案の定の石段地獄です。そして石段の上の山門をやっとくぐると、右手が納経所で、左手が大師堂。(のはずですが、)木が鬱蒼とおい茂っていて、どちらも見えません。
これは思った以上に山寺です。・・・ 正面にまた石段です。これを登らないと、鐘楼にも本堂にもたどり着くことができません。
『でも、あのバスツアーの集団お遍路さんたちも、ここを登ってるんだよな・・・』。
本堂に続く石段を登り切ったところで、ちょうど帰途についたあのバスツアー集団お遍路さんとすれ違いました。
いつもの通り、「こんちは。」「こんにちは。お疲れ様です。」とやり取りをして、すれ違っていました。その時、バス集団遍路のリーダーさんと思われる黒い本袈裟をまとった女性のお坊さんが立ち止まって、話しかけてきました。
「またお会いしましたね。どちらからいらしているのですか?」
「私は初めてで、東京から来ました。天気が良くなってよかったですね。」
私も立ち止まって応えました。
何となくこの集団のお遍路さんたち全員と、立ち止まったうえで頭を下げながら挨拶ができたことで、何かがスッとしました。



↑ 左:ここのところ連続で遭遇したお遍路バス 中右:少し山寺の風情が出てきた渋いお寺
「どうぞ道中お気をつけてくださいませ。」
「ありがとうございます。皆様もどうぞお気をつけて。」
恩山寺出発、バスに遅れること約15分の10時45分です。
第十九番札所 立江寺(たつえじ)
恩山寺を10時45分に出発。5キロ弱先の十九番立江寺(たつえじ)に向かいます。
19番立江寺 概要
宗派:真言宗高野山派 山号:橋池山(きょうちさん) 院号:摩尼院(まにいん)
アクセス
・カーナビ設定( 要注意 )
「19番立江寺」(札所)そのものを目的地にしないこと。 「19番立江寺」or電話番号で検索して🅿️が出れば、そこに設定。出なければ「立江寺駐車場」で検索。
・前札所からの道( 楽 )
「18番恩山寺」から4.5km、県道136号新道沿いに🅿️あり。ナビや標識に従えば迷わない。 🅿️有料(普通車300円)(※2024年時点)。
・🅿️からの境内アプローチ( 要注意 )
🅿️は136号線バイパス沿いにあるが、札所は旧道沿いにある。 🅿️には札所へ通じる歩行者専用の出入り口がバイパスとは反対側にありこちらを通れば本堂まで徒歩3分。ただし、見逃しやすいので注意が必要。 🅿️からバイパス側に出てしまった場合、迂回を強いられ山門まで6〜7分かかる。
お寺の種類
区分 | 市街区 | 田園区 | 海浜区 | 森林区 | 険崖区 |
平地寺 | ○ | ||||
傾斜地寺 | |||||
山岳寺 |
宿泊事情
・宿坊あり(要確認・予約)。 ・付近は旅館等なし。小松島市街に戻るか、阿南市街に出ればホテル/旅館あり。 ・車中泊場所は、「RVパークライトひなの里かつうら」(10km)(2台のみ、要予約)、その他道の駅(24h営業かは要確認)などあり。
19番立江寺 雑記
文字通り、小松島市立江町の市中に建立されているこちらも里寺(平地寺)です。駐車場は珍しく有料(有料といっても、普通車なら時間制限なしで一律300円ですが、)で、バイパスの県道136号線沿いに広々とあります。
お寺は細い旧道の県道136号線沿いにありますので、街区一区画分、裏の方に回り込まないとなりません。
山門入ってすぐ左に鐘楼がありますが、境内のレイアウトも少し変わっていました。山門を進んだ奥が宿坊と納経所になり、手前の左側の石段を登ったところが本堂、そしてその反対側に大師堂。その他に、護摩堂、観音堂、毘沙門堂、そして二重の塔である多宝塔がそびえています。
威風堂堂とした境内で、とても風格のあるお寺でした。
空はいよいよ晴れ渡り、この時期とは思えない暑さとなってきましたが、このお寺の風格がとても気持ちよくて、しばらく一人で佇ずんでいました。


↑ 左:立江寺の立派な山門 右:お寺の場所(Google Map)のスクリーンショット
6月11日ランチ キッチン「ゑみ」
立江寺のお参りを終えた頃11時半を迎えました。新しくできたバイパスの県道136号線からお寺が建っている旧道に回り込むときに、「キッチンゑみ」というちょっと気になるお店がありましたので、ランチは迷うことなくそこへ向かいました。(Map 地点F)
外観は昔ながらのスナックバー、店内は昭和の喫茶店風、でも基本的にはここはロシア家庭料理屋さん、だったようでボルシチやピロシキ、グルブイなどロシア料理の写真が店内に貼られていました。テーブルの上に並べているメニューの方はいたって普通の家庭洋食屋さんです。
目玉焼きが乗っている「ハンバーグ定食」が妙に懐かしかったので、このランチセットにしてみました。



↑ キッチンゑみ お遍路さんも多く立ち寄るとのこと
ハンバーグは大きくて美味しかったです。「キッチンゑみ」を出る頃、時刻は12時を回っていました。
次回は、22話 徳島 勝浦町(二十番) 〜 阿南市(二十一番)です。
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