2023年の年末に仕事を終え、ようやく自由に旅ができる時間を持てるようになりました。
若いころから抱いていたのは、細かな予定を決めず、気になった場所へクルマで向かい、そのまま車内で眠る旅です。
ただし、私には約7年間、クルマの運転から離れていた時期があります。
両目に眼病を抱え、一時は運転を諦めていましたが、左目の状態が少し改善し、主治医からも「自分で怖くなければ運転してよいでしょう」と言ってもらえるまでになりました。
今なら、まだ運転できる。
逆を言えば、今を逃せば、再び運転できなくなるかもしれない。
そう考え、長年ぼんやりと抱いていた車中泊旅を、実際に始めることにしました。
要約(この記事で分かること)
この記事では、筆者が車中泊車として検討した次の3種類を比較します。
- エブリイ・アトレーをベースにした軽キャンパー「給電くん」
- 以前所有していた本格キャブコン「Mash RE」
- 中古車として見つけたSUZUKIソリオの車中泊仕様車「Cabin II Mini WISH」
大きさも装備もまったく異なる3台ですが、比較することで、自分に本当に必要な車中泊車の条件が見えてきました。
最終的に選んだのは、SUZUKIソリオです。



↑【写真】給電くん(軽キャンパー)、SUZUKIソリオ(リッターカー)、Mash RE(トラックベースのキャブコン)
筆者が求めた車中泊車
最初から、豪華なキャンピングカーが欲しかったわけではありません。
当時の私が求めていた条件は、次のようなものでした。
- 一人で無理なく運転できる
- 狭い道や駐車場でも扱いやすい
- 足を伸ばして眠れる
- エンジンを止めても電気が使える
- 冬でも眠れるようFFヒーターを付けられる
- 普段使いもできる
- できれば納車を長く待たずに済む
シンク、電子レンジ、常設キッチン、ポップアップルーフなどは、あれば便利ですが、必須ではありません。
一人旅が中心なら、快適に眠れて、車内で静かに過ごせれば十分です。
この条件を基準に、3種類の候補を比較しました。
候補1 「給電くん」エブリイ・アトレー系の軽キャンパー
最初に注目したのは、軽自動車をベースにした軽キャンパーです。
神奈川県藤沢市の軽キャンパービルダーを訪ね、エブリイをベースにした「給電くん」と、アトレーをベースにした車中泊仕様車を実際に見せてもらいました。
軽キャンパーの良かった点
実車を見ると、軽自動車とは思えないほど車内が工夫されていました。
エブリイ、アトレーとも、約180cmの就寝スペースを確保できます。
身長170cm弱の私なら、足を伸ばして眠れる広さです。
電装についても、
- 外部電源
- 走行充電
- ソーラー充電
- インバーター
- テレビ
- 室内照明
などを希望に応じて組み込めます。
またシンクやコンロ、電子レンジ・冷蔵庫あるいは上下水タンクなど、およそ軽自動車とは思えない本格的生活家具家電も装備可能です。(もちろんサイズは小さくなりますが・・・)
エブリイは、テーブルや収納の使い方が多彩で、限られた室内をうまく活用している印象でした。
一方、アトレーは、運転席周辺が乗用車に近く、マットもやや厚めで、室内の質感に上品さがありました。
一人旅の車中泊車としては、どちらも非常によくできています。
軽キャンパーで気になった点
最大の問題は、納期でした。
当時は軽キャンパーの人気が非常に高く、新車を注文してから納車まで1年以上かかる状況でした。
ポップアップルーフや水回りを付けず、AC電源とFFヒーターだけの簡易仕様にしても、製作の順番は変わらないため、納期は短くならないとのことでした。
また、軽キャンパーは小さくて便利な反面、
- 高速道路での安定性
- 登坂時の余裕
- 長距離移動の疲労
- 中古車の少なさ
も気になりました。
近距離中心の旅なら理想的ですが、四国や九州、北海道などへの長距離移動まで考えると、もう少し余裕が欲しいと思いました。


↑【写真】アトレー/エブリイ ベースの軽キャンパー「給電くん」
候補2 本格キャブコン「Mash RE」
軽キャンパーを検討する一方で、私は以前所有していた本格的なキャブコンを思い出していました。
ナッツRVの「Mash RE」です。(※残念ながら現在は製造販売されていません。)
日産バネットをベース車両とした本格的なFRPビルドアップで、おおよその大きさは次のとおりでした。
- 全長:約5m
- 全幅:約2.1m
- 全高:約2.7m
車内には、
- サブバッテリー3台
- ソーラーパネル
- 電子レンジ
- 家庭用エアコン
- FFヒーター
- 広いダイネット
- バンクベッド
- シンク・コンロ・レンジ・冷蔵庫・上下水タンクなどフルキッチン家具家電
などが備わっていました。
Mash REの良かった点
装備と居住性は、今回比較した車両の中では圧倒的です。
真冬のキャンプでは、外気温が氷点下4度まで下がりましたが、FFヒーター一台で車内全体を約22度に保つことができました。
ソーラーパネルも非常に頼もしく、走行充電だけで満充電にならなかった場合でも、数日置いておけば自然に回復していました。
広い車内で立って動くこともでき、食事や着替えにも不自由しません。
キャンピングカーとしての完成度を比べれば、Mash REに軍配が上がります。
Mash REで困った点
一方で、私にとっては車体が大きすぎました。
- 後方が見えにくい
- 狭い道でのすれ違いが怖い
- 立体駐車場には確実に入れない
- 普段使いには不向き
- 家族に運転を頼む必要がある(一人旅は無理)
装備が豊かなほど、車体も大きく重くなります。
私自身が一人で気軽に運転して旅に出るという目的には合わず、約1年半で手放しました。
この経験から、
装備が多いことと、自分に合うことは同じではない
と学びました。





↑【写真】Mash RE(当時)の外観と内部 家具も電装も圧倒的に充実している
候補3 SUZUKIソリオの車中泊仕様車
軽キャンパーの長い納期と、中古市場での品薄を知り、軽自動車以外にも候補を広げました。
そこで中古車サイトで見つけたのが、SUZUKIソリオ バンディット HYBRID MVの車中泊仕様車でした。
当時の主な条件は次のとおりです。
- 登録から2年未満
- 走行距離約5,000km
- 乗り出し価格約300万円
- 後部をフラットにできる専用ベッド
- ポータブル電源
- ACコンセント
- 室内照明
- サーキュレーター
- フリップダウンテレビ
- 両側電動スライドドア
- ナビ、ETC、バックカメラ、ドライブレコーダー
車体は軽自動車よりひと回り大きい程度で、ハイエースやキャブコンほど大きくありません。
私が探していた軽キャンカーに限りなく近い「軽と本格キャンピングカーの中間」に当たる車でした。
ソリオで気になった点
最初から理想どおりだったわけではありません。
- FFヒーターが付いていない
- 2WDだった
- ソーラーパネルがない
- 固定式サブバッテリーではなく、ポータブル電源中心
- 就寝スペースは約175cmで、軽キャンパーより少し短い
- 中古の割に乗り出しの価格が高額
特に私は、Mash REでの経験から、FFヒーターとソーラーパネルに強いこだわりを持っていました。
FFヒーターとソーラーパネルの後付けについて販売店へ相談すると、技術的には可能でしたが、かなりハードルの高い作業になるようでした。
ですので、車中泊車としては少し中途半端にも見えました。





↑【写真】外観はただのソリオ・・ でも内部はそこそこ車中泊仕様
3種類を比較して分かったこと
3種類を比べると、それぞれの性格は明確でした。
| 比較項目 | 軽キャンパー | Mash RE | ソリオ |
| 運転のしやすさ | 取り回し楽 | たいへん | 乗用車としても良い |
| 車内の広さ | 狭いが工夫されている | 非常に広い | 一人なら十分 |
| 就寝性 | 約180cm確保可能 | 常設ベッドあり | 約175cm |
| 電装 | 注文次第で充実 | 非常に充実 | ポータブル電源中心 |
| FFヒーター | 装着可能 | 標準的に装備 | 面倒だが後付け可能 |
| 高速道路 | やや余裕が無い | 車体が大きく疲れる | 比較的安定 |
| 普段使い | 商用車的に可 | 不向き | とても良い |
| 納期・入手性 | 新車は長期待ち | 中古次第 | 中古次第 |
| 私との相性 | 良いが納期が問題 | 装備過剰・デカい | 最も現実的 |
こうして比べると、装備だけならMash RE、取り回しだけなら軽キャンパーです。
しかし、私が求めていたのは、
一人で運転でき、長距離も走れ、普段使いもでき、そのまま旅に出られるクルマ
でした。
この条件を最もバランスよく満たしたのがソリオでした。
最終的にソリオを選んだ理由
ソリオを選んだ理由は、”完璧だったから”ではありません。
むしろ、足りない部分はいくつもありました。
それでも、次の点を優先しました。
1.自分一人で扱える
Mash REのような大きな車ではなく、都市部や狭い駐車場でも扱えます。
7年間の運転ブランクがあった私にとって、これは最重要条件でした。
2.軽自動車より長距離移動に余裕がある
車幅や車体の大きさは大幅に増えない一方、高速道路や坂道では軽自動車より余裕があります。
四国などへの長距離旅を考えると、この差は大きいと判断しました。
3.普段使いと車中泊を両立できる
キャンピングカーとしてしか使えない車ではありません。
日常の買い物や外出にも普通に使いながら、後部を展開すれば車中泊ができます。
4.すぐに入手できる
軽キャンパーの新車は1年以上待つ状況でした。
一方、この中古のソリオは現車があり、状態も新しく、走行距離も短い車両でした。
「いつか」ではなく、「今から」旅を始めたい私にとって、納期は大切な条件でした。
5.足りない装備は旅をしながら考えられる
FFヒーターや電装については不安が残りました。
しかし、すべてを最初から完成させなくても、実際に車中泊をしながら必要な装備を追加していけばよいとも考えました。
2WDについても、
『2WDで行ける場所を選べばよい』
と考え直しました。
車に旅を合わせるのではなく、自分の年齢や体力、運転技術に合わせて旅を組み立てることにしたのです。
結論 車中泊車は装備の多さより自分との相性
今回、軽キャンパー、本格キャブコン、コンパクトトールワゴンを比べましたが、「キャンピングカー選びに絶対的な正解はありません」。
広さと装備を重視する人には、Mash REのような本格的なキャブコンが向いています。
狭い道での扱いやすさと維持費を重視するなら、給電くんなどの軽キャンパーが適しています。
私のように、
- 一人旅が中心
- 大きな車は運転したくない
- 高速道路を使って長距離を走る
- 普段使いもしたい
- 最低限の車中泊装備があればよい
という人には、ソリオのようなミニバンをさらに小さくしたリッターカートールワゴンをベースにした車中泊車が、現実的な選択肢になります。
豪華ではないし、、
本格的なキャンピングカーにも見えない。
けれど、自分一人で乗り込み、その日の気分で旅へ出られる。
私にとっては、それが一番重要です。
こうして、車中泊旅の相棒として、SUZUKIソリオを選ぶことになりました。


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