中古車サイトで見つけた、SUZUKIソリオ バンディットの車中泊仕様車。
年式が浅く、走行距離も短く、後部にはフルフラットのベッド、ポータブル電源、室内照明、サーキュレーター、フリップダウンテレビなどが備わっていました。
街乗りにも使えるコンパクトトールワゴンでありながら、二人が横になれる車中泊スペースもあります。
私が求めていた「軽キャンパーとミニバンキャンピングカーのちょうど中間」に近い一台でした。
ただし、冬の車中泊で使いたかったFFヒーターは付いていません。
そこで、購入前にFFヒーターを後付けし、電源構成も見直すことにしました。
要約(この記事で分かること)
この記事では、ソリオの車中泊仕様車に、
- FFヒーター
- サブバッテリー
- AC充電器
- 走行充電器
- 電圧計
を追加した経緯と、施工前に確認したことを紹介します。
中古の車中泊仕様車を購入して、FFヒーターや電装の強化をしようと考えている人の参考になれば幸いです。
実車を見て分かった「らしくないキャンピングカー」の魅力
2023年12月22日、成城学園前駅近くの日産ピーズフィールドクラフトで、実車を確認しました。
車両は、SUZUKIソリオをベースにした「Cabin II Mini WISH」(ビルダー:マリナRV)です。
外観は、普通のソリオとほとんど変わりません。
シンク、コンロ、水タンク、ポップアップルーフ、サイドオーニングなど、本格的なキャンピングカーに見られる装備も付いていません。
その代わり、後部には次の装備が備わっていました。
- フルフラットの就寝マット(フルベッドキット)
- ポータブルバッテリー(リチウムイオン型)
- 車内ACコンセント
- 室内照明
- サーキュレーター
- 15インチのフリップダウンテレビ
- JBLオーディオ(SUZUKIの純正特注)
- 全窓用プライバシーシェード
- 大型リアテーブル
- 外部AC充電口
- 走行充電設備
特に印象的だったのが、後部に設置された大型テーブルです。
車幅いっぱいに広がる頑丈な作りで、体重をかけてもほとんど揺れません。
一方で、4点をネジで固定する方式なので、簡単に向きを変えたり取り外したりすることはできません。
使い勝手より、頑丈さを優先した設計です。
ただし前後に約50cmスライドさせることができます。
(※使っていくうちに、この単にスライドするだけのことが、「如何に便利か!」がわかっていきます。)






↑【写真】ソリオ車中泊仕様車の内部
購入前に残った三つの不安
全体の仕上がりは非常にきれいで、実車を見るとかなり気持ちが傾きました。
しかし、購入前に三つの不安がありました。
FFヒーターがない
私は以前、本格キャブコンのMash REを所有し、氷点下の環境でFFヒーターの暖かさを経験しています。
そのため、冬の車中泊にはFFヒーターが必要だと考えていました。
電源がポータブルバッテリー中心
照明、テレビ、サーキュレーターなどは、一台のポータブル電源を中心に動かす構成でした。
実際に一晩使って、電力が足りるのか分かりません。
ソーラーパネルがない
Mash REでは、駐車中にもソーラーパネルが充電してくれました。
このソリオにはソーラーパネルがなく、外部充電か走行充電に頼ることになります。
そこで販売店に、FFヒーターとソーラーパネルの後付けが可能か確認しました。
FFヒーターの後付けには電源設備も必要だった
相談して分かったのは、FFヒーター本体だけを取り付ければ済むわけではないということでした。
FFヒーターを安定して動かすには、専用の電源が必要です。
この車両はポータブル電源中心の構成だったため、FFヒーターを追加するには、
- サブバッテリー
- サブバッテリー用AC充電器
- 走行充電器
- 電源配線
- 電圧確認用メーター
- FFヒーター用スイッチ
- 燃料配管
- 本体の設置スペース
を新しく用意する必要がありました。
当初聞いた費用感では、FFヒーター本体、サブバッテリー、充電器、配線、工賃、手続きなどを合わせて、60万円を超える可能性があるとのことでした。
中古車を買うつもりが、新車のビルドアップに近い費用を追加することになります。
それでも私は、冬の車中泊を考え、FFヒーターを付ける方を選びました。
ソーラーパネルは見送り
ルーフソーラーパネルも、技術的には追加可能でした。
ただし、パネルを載せるだけではありません。
発電した電気を安全に充電へ回すための配線、制御装置、設置工事が必要になります。
FFヒーターと同時に取り付けても、後から別に取り付けても、総費用はほぼ変わらないとの回答でした。
そこで、ソーラーパネルは一度見送ることにしました。
実際に旅をして、走行充電と外部AC充電だけで不足するのかを確認してから考えることにしたのです。
発注前に確認した三項目
購入を正式に決める前に、販売店へ次の三点を確認しました。
FFヒーターとソーラーパネルの施工時期
同時に施工しても、別々に施工しても、総費用に大きな差はないとのことでした。
プライバシーシェード
付属する純正シェードで、すべての窓を覆えることを写真で確認しました。
取扱説明書
車両本体だけでなく、既設設備と新設設備についても取扱説明書を付けてもらうことにしました。
この確認を経て、正式に車両を購入し、FFヒーターと電装設備の追加を依頼しました。
完成した電装構成
最終的な構成は次のようになりました。
運転席下
- FFヒーター本体
- 温風の吹き出し口
後部床下収納
- ポータブル電源
- サブバッテリー
- サブバッテリー用AC充電器
- 走行充電器
- インバーター
- 配電ケーブル類
運転席右後方のパネル
- FFヒーター用スイッチ
- 電圧計
既存の家具部分
- ACコンセント
- 室内照明スイッチ
- サーキュレータースイッチ
- テレビ用スイッチ
限られた車内スペースに収めるため、電装設備の多くはリアゲート側の床下収納にまとめました。
リアゲートを開ければ機器へアクセスでき、収納スペースも少し残っています。






↑【写真】装備の仮設置とマニュアル類
施工時に見落としたこと
当時の私は、サブバッテリーとポータブル電源の違いを十分理解していませんでした。
販売店との打ち合わせでも、
- どちらのバッテリーに何が接続されるのか
- どの設備が走行充電されるのか
- サブバッテリーの残量をどう確認するのか
- 充電中であることを何で判断するのか
まで、細かく確認していませんでした。
電圧計は設置しましたが、サブバッテリーの残量計は依頼していません。
また、既存のポータブル電源用走行充電回路と、新しく設置したサブバッテリー用回路が、どのように共存するのかも理解していませんでした。
この確認不足が、納車後の走行充電トラブルにつながります。
中古車へ電装を追加する際の確認事項
今回の経験から、中古の車中泊仕様車へ電装を追加する場合は、次の点を確認した方がよいと思います。
- 既存の配線図が残っているか
- 元のビルダーへ仕様を確認できるか
- ポータブル電源とサブバッテリーの役割分担
- 走行充電される機器
- 外部AC充電される機器
- バッテリー残量の確認方法
- ヒューズや安全装置の位置
- 修理時の窓口
- 各設備の取扱説明書
- 電装トラブル時に誰が対応するか
キャンピングカーは、同じ車種でも内部の電装仕様が一台ずつ異なることがあります。
中古車を別の販売店で購入し、さらに追加施工をすると、元ビルダー、販売店、電装業者、車両メーカーがそれぞれ関係することになります。
購入時には、装備の数だけでなく、施工後の対応体制も確認しておくことが大切です。
まとめ|FFヒーターは本体だけでは取り付けられない
ソリオへFFヒーターを後付けするためには、本体だけでなく、サブバッテリー、充電器、走行充電設備、配線などを含む電源構成の見直しが必要でした。
結果として費用も施工内容も大きくなりましたが、冬の車中泊でFFヒーターを使えるようになったことには満足しています。
一方で、電装の役割分担や残量確認方法を十分に確認しなかったことは反省点です。
中古の車中泊仕様車を購入する場合は、
何が付いているかだけでなく、それぞれがどの電源につながり、どのように充電されるのか
まで確認することをおすすめします。
次の記事では、完成したソリオの納車と、直後に発覚した走行充電トラブルについて紹介します。



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